放射線治療について(定位放射線治療)

放射線治療とは

放射線治療とは・・・・

放射線治療は、手術・抗がん剤ともにがん治療の中で重要な役割を果たしている、局所治療です。手術と異なり、臓器を温存する事が可能なので、手術前と同じような生活をすることが可能な治療手段です。
また、放射線治療は、病気を治癒させることを目的とした根治的治療と症状の改善を目的とした姑息的(緩和)治療があります。

がんの治療に使われている放射線は、X線・γ線(ガンマ線)・電子線が主で、その他陽子線と重粒子線が研究段階で使われています。

放射線治療の種類(分類)

放射線治療には、大きく分けて体の外から放射線を照射する“外部照射”と、体の中に放射線のでる物質を入れて治療する“内部照射(密封小線源療法)”があります。

内部照射

放射線が出る物質(放射線源)を体の中へ入れて、がんを攻撃する放射線治療法です。
内部照射による治療“小線源治療(しょうせんげんちりょう)”は、放射線を出す物質(ラジウム・イリジウム・ヨード)など金属製の小さなカプセルに入れて、体内に入ることで体内からがんへ放射線を照射します。
放射線を出す物質を体内に入れるには、「組織内照射法」と「腔内照射法」の1つの方法があります。
組織内照射法は、口腔がん、舌がん、乳癌、前立腺がん等で行われます。
腔内照射法は、肺癌、食道がん、子宮頸がんなどに行われます。

外部照射

外部照射とは、体の外からがんへ向かって様々な角度から放射線を照射する放射線治療のことです。
外部照射は、普通外来治療で行われます。身体負担が少ない為、ほとんどの場合は入院を必要としません。
現在では、放射線治療の90%が、外部照射により行われています。

外部照射は、分割照射治療・術中照射治療・定位放射線治療 の3つに分類されます。

分割照射治療

病変部以外のある程度広い範囲に放射線の線量を何回かに分けて照射します。
患者さんの状態により3~8週間ぐらいの期間をかけて治療を行います。
正常細胞は、がん細胞よりも回復する力が強いので、放射線を照射したら正常細胞が回復するのを待って、分割で照射をする治療法です。乳がんの外科手術後に癌の再発を防ぐために照射したり、痛みを緩和する場合などにも使われます。

術中照射治療

通常の放射線治療で効果を上げる事が困難ながんに対して、手術中に患部を露出して、一度に大量の放射線を照射する治療方法です。通常の切除手術を行った後、癌が残っている可能性があると思われる場所に直接、放射線をあてる治療方法のことです。
手術中だと、放射線を当てたくない臓器を照射野からはずすことができるため、患部(癌)だけに狙いをつけて大量の放射線を当てる事ができます。

定位放射線治療

定位放射線治療とは、目標とする病巣に対して多方向から集中的に、極めて正確な位置精度を保ちながら精密な外部照射を行う放射線治療のことをいいます。
小さな領域に対して、多方向からある一点の誤差が1mm以下の正確さで集束する照射が可能な放射線装置を用います。

定位放射線治療でも一回で完了する放射線治療を定位放射線手術(Stereotactic Radio Surgery / SRS )といい、狭義に分割照射での治療を定位放射線治療(Stereotactic Radio Therapy / SRT)と呼びます。


表1 放射線治療の種類

表1 放射線治療の種類

表:平凡社新書「ガンマナイフ」(小林達也著)より引用