定位放射線治療機器
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脳病変に対する定位放射線治療機器
現在、脳病変に対して一般的に用いられている定位放射線治療専用機器としては以下の4種類の治療機があります。
ガンマナイフ(エレクタ社)
定位手術的放射線治療として基本的には1回照射で行われる。
サイバーナイフ(日本アキュレイ社)
小型のX線発生装置をロボット・アームで操作し、重要臓器を避けて多方向から照射できる。
1回照射と分割照射ともに行われる。
ノバリス(ブレインラボ社)
X線発生装置を円弧状に走査して照射する。
リニアック
トモセラピー(トモセラピー社)
全身を螺旋状に照射するとともにCT撮影ができ、分割照射が主体である。
引用書:定位放射線治療UPDATE(小林達也著)
定位放射線治療機器の特徴
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ガンマナイフ
治療部位 頭部専用 照射回数 1回治療 照射範囲 3cm以下 多発病巣 +++ IMRT - 特徴 低侵襲性・正確性 保険適応 頭部腫瘍・動静脈奇形(機能的疾患は適応外) -
ノバリス・シナジー
治療部位 頭部・体幹部 照射回数 1回・分割 照射範囲 10×10cm、16×21cm 多発病巣 - IMRT +++ 特徴 比較的大病巣・MLC 保険適応 頭頸部腫瘍・肺・肝腫瘍・脳・脊髄動静脈奇形 -
サイバーナイフ
治療部位 頭部・頸部 照射回数 1回・分割 照射範囲 制限なし 多発病巣 + IMRT - 特徴 ロボットアームでの多方向照射 保険適応 頭頸部腫瘍 -
トモセラピー
治療部位 全身 照射回数 分割 照射範囲 40×160cm 多発病巣 ++ IMRT +++ 特徴 全身病巣の連続照射 保険適応 頭頸部腫瘍・肺・肝腫瘍・脳・脊髄動静脈奇形
注:IMRTは強度変調治療、MLCはマイクロ・マルチリーフコリメーター(可変型照射絞り装置)の略
引用: ガンマナイフ/平凡社新書(小林達也著)
ガンマナイフとサイバーナイフの治療比較表
ガンマナイフ | サイバーナイフ | |
---|---|---|
治療箇所 | 頭部 | 頭頸部・体幹 |
線源 | コバルト・ガンマ線 | X線 |
照射回数 | 一括照射 | 一括照射~低分割照射 |
固定 | チタンフレーム | シェル・フェースマスク |
照射方法 | マルチアイソセンター | リニア |
長所 | 正確(0.1ミリ精度) 多発病変に容易に可能 機能的疾患に可能 精度チェックが容易 |
照射可能箇所が広い 大きな病変に可能 追従照射が可能 (体幹治療への応用) |
短所 | フレーム装着が必要 脳内病変に限られる 大きな病変には危険 |
多発病変に時間がかかる 機能的疾患に向かない 精度チェックに時間がかかる |
好適応疾患 | 脳動静脈奇形 転移性脳腫瘍 良性脳腫瘍 機能的脳疾患 その他 |
大きな転移性脳腫瘍 一部のグリオーマ 頭蓋頸部移行部病変 上顎がん・眼窩鼻腔内悪性腫瘍 その他 |
引用: 頭を切らずに治すガンマナイフ最新治療/講談社(林 基弘著)一部改変