定位放射線治療
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定位放射線治療とは?
定位放射線治療とは、病巣に対し多方向から放射線を集中させる方法です。通常の放射線治療に比較し周囲の正常組織の線量を極力減少させることが可能です。
定位放射線治療で用いる放射線としては、ガンマ線・X線・粒子線等があり、コバルトから出るガンマ線を用いたガンマナイフ(エレクタ・スウェーデン製)による治療成績が多数報告されています。
定位放射線照射には、病変の種類・部位・症状により1回照射の定位手術的照射(Stereotactic Radiosurgery:SRS)と、数回に分割して照射する定位放射線治療(Stereotactic Radiotherapy:SRT)に大別されます。
当初は、脳病変を対象に広まった治療法ですが、現在では治療機器の進歩によって体幹部病変の定位放射線治療も多数行われています。
低侵襲で痛みなどの苦痛を伴わず、入院期間も短くて済みます。
また、手術が困難な部位にできた病変に対しても治療が可能です。
脳定位放射線治療の特徴
低侵襲
開頭手術を行うことなく脳病巣の治療が可能です。
開頭手術に比べて体力の消耗が少なく、ご高齢の方でも治療を受けることができます。
放射線を多方向から集束して照射する為、身体への被曝線量はより低く、治療後の皮膚炎・脱毛・骨髄機能抑制を起こす事はほとんどありません。
短期間
日帰り、もしくは2泊3日の入院で治療が完了します。
治療適応と頭蓋内病巣の局在部位について
脳定位放射線治療を行う上では、頭蓋内の病巣周辺の正常組織の放射線感受性との関係も治療適応の判断として必要とされています。
視神経は頭蓋内でもっとも放射線に弱い部位の一つとされています。そのため、下垂体腫瘍や髄膜腫などの良性腫瘍における定位放射線治療を行う場合は、視神経と病巣との距離が離れていることが望ましくなります。